新宿御苑の不動産屋ブログ 【新宿二丁目】

レズビアン・ゲイ・おかま・おなべ・ニューハーフ・バイセクシャル・トランスジェンダー・ニューハーフ・ドラァグクイーンのゲイフレンドリーな不動産屋のブログです。 あくまで趣味のブログですので、お仕事のご要望にはそえない場合があります。

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

カナダ同性婚事情

同性婚が法律で認められていて、その門戸を外国人にも開いているカナダ。最近行われた冬季五輪に沸いたバンクーバーは、特にゲイフレンドリーな街として知られており、世界中からゲイカップルがやってきては、結婚式を挙げています。

アメリカ・カリフォルニア州で同性婚禁止法案が可決されたかと思えば、コネチカット州では州最高裁により同性婚が合憲であると判断されるなど、同性婚を取り巻く環境は非常に流動的です。しかし、同性同士の婚姻やパートナーシップを認める国や地域はここ数年で確実に増えてきており、世界的にもこのような動きは広まっています。

thumb_Vancouver.jpg


カナダでは早くから同性婚に向けた市民運動が展開されており、同性婚が正式に合法化される以前から、一部の州で緩やかなパートナーシップが認められていました。2005年7月に同性婚が合法化される時点で、州からなんらかの形でパートナーシップを認められていたカップルの数は12,000を超えていたと推定されています。

単に同性婚が合法化されただけでなく、外国人にもその門戸を開いているというのが、カナダの婚姻法のユニークなところです。そのため、合法化直後には隣国のアメリカから沢山の同性カップルが押し寄せ、結婚ラッシュに沸いたということです。現在ではヨーロッパやアジアからもカップルが訪れ、カナダは同性婚のメッカとして仰がれるようになりました。そんなカナダの同性婚事情を探るべく、西の玄関口バンクーバーで、同性婚に関わる様々な人たちを取材してきました。


バンクーバーは、周辺地域を含めると約220万の人口を抱え、カナダで3番目に大きな都市となっています。近代的なビルが立ち並ぶダウンタウンは海や山で囲まれ、都会と大自然が共存した魅力的な街並みを形成しています。アジア人を中心に国際色も非常に豊かで、西海岸特有のリベラルな雰囲気と併せ、北米の中で最もゲイフレンドリーな街の1つとしても知られています。最近では、冬季オリンピックが開催され、キム・ヨナ選手と浅田真央選手の金メダルを記憶している人も多いことでしょう。

取材を開始して驚いたのが、同性婚が日常一般的に行われているということ。今回インタビューをした30人近くのウェディング関係者は、同性婚に特化しているわけではないものの、みな同性カップルのセレモニーに携わった経験があると答えていました。バンクーバー市民も同性婚には慣れているようで、公園やダウンタウンなどの人目のつく場所で結婚式を行うカップルも沢山いますが、通行人などが冷やかしの言葉をかけたりすることもないそうです。それどころか、結婚式を挙げているゲイカップルにお祝いの言葉や拍手を送って、ストレートのカップルの結婚式に通りかかったのと同じような反応をするのだとか。

ストレート・ゲイを問わず、結婚するにはまずメリッジ・ライセンスと呼ばれる書類が必要です。取得に特に審査はなく、申請しているカップルが両方とも未婚であるか、もしくは離婚後規定の期間が経ていれば、問題なく取得することができます。このメリッジ・ライセンスを取得した上で、州政府から許可を得ている公証人の立会のもと、結婚式を挙げることになります。キリスト教教会で結婚式を挙げるのであれば、神父や牧師がこの役割を担い、仏教やヒンズー教、イスラム教式の結婚式でも、それぞれの宗教の司祭にあたる人物が、公証人としての責務を果たします。シビル婚の場合には、メリッジ・コミッショナーと呼ばれる、同じく州政府から任命されている公証人に式を挙げてもらいますが、この場合には宗教色が全て取り除かれ、政教分離の原則から、式中に「神」という言葉を使用することも許されていません。

多くの宗教では、同性婚がまだ認められていないので、ゲイカップルの場合には、シビル婚の形を選ぶのが一般的です。メリッジ・コミッショナーによるセレモニーは、個人差もありますが、宗教的なそれに比べると非常に短く、15分程で全てが終わります。最後にメリッジ・コミッショナー、カップル、そして2人の証人が署名をした後、メリッジ・コミッショナーが婚姻の手続きに必要な書類を州政府に送り、その数週間後に、カップルのもとへ結婚証明書が郵送されてくる仕組みです。

ゲイウェディングのもう1つの特徴として、規模が小さいことが挙げられます。100人規模のセレモニーが珍しくないストレートカップルと違い、ゲイカップルの場合には、ごく稀に数十人規模のセレモニーが挙がられる、大抵はカップルとその家族やごく親しい友人だけの慎ましやかな式が一般的です。アジアやヨーロッパなどからやってくるカップルの場合、家族や友人を簡単に招待するわけにいかないので、2人だけで挙げる結婚式というのも珍しくありません。その分、式場やカメラマン、ウェディング・ケーキやハネムーンなどの細部にこだわるゲイカップルが多いのだとか。

ただ、ウェディング業界関係者の全てがゲイフレンドリーというわけではないので、同性カップルにとっては、自分達の結婚を最大限に祝福してくれるサービスをいかに探し出せるかというのがポイントです。メリッジ・コミッショナー1つをとってみても、形式的な式しか挙げてくれない人もいれば、事前にカップルと綿密なコミニュケーションを取り、よりカップルの求めるセレモニーにカスタマイズしてくれる人もいます。式場選びは、現地に住んでいない外国人を特に悩ませる問題で、ウェディングプランナーの腕の見せ所でもあります。

カナダのゲイウェディングが注目される一方で、意外に知られていないのが離婚事情。カナダ政府に正式に認められた結婚をした以上、その後他の誰かとの結婚を希望する場合には、現在のパートナーとカナダの正式な離婚の手続きをふまなければなりません。情報の少ない海外のカップルにとっては、こうした事情にも詳しいウェディングプランナーを選定することが、長期的には重要になってくるものと思われます。

今回の取材で一番印象に残ったのが、あるカメラマンのエピソードでした。彼女があるカップルをスタンレーパークに連れて行き、紅葉をバックに2人のキスシーンをカメラに収めようとしたところ、カップルがなかなかポーズをとってくれません。なんとなくぎこちない2人に理由を訊ねると、今まで公共の場でキスをしたことがないので、怖くてできないというのです。もう20年以上も連れ添っていたそのカップル。ゲイだからという理由で、長い間自由にキスすることさえもできなかったという話を聞き、そのカメラマンは涙が止まらなかったと言います。「This is Vancouver. Nobody cares. (ここはバンクーバーよ。誰も気にしやしないわ。)」そうカップルを励まし、2人のキスシーンをなんとか撮っていると、そこを通りかかった沢山の地元っ子が、「Congratulations! (おめでとう!)」と祝福の声を投げかけてくれたとか。その瞬間、さっきまで躊躇していたカップルの目からも涙があふれ出し、最高の瞬間をカメラに収めることができたと語っていました。

カナダでの婚姻は、ほとんどの国では無効です。それでも、国境を超えてゲイウェディングを挙げるカップルが後を絶たないのは、「誰かに認めてほしい」といった切実な思いからなのでしょう。そういったカップル達の願いを叶えるべく、今日もまたバンクーバーの街のどこかで、ウェディングプランナーが奔走し、メリッジ・コミッショナーが祝福の言葉をかけています。

もと記事
関連記事

| 同性愛ニュース | 10:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URI

http://lgbt-estate.jp/tb.php/467-b6039fe7

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT