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レズ・レズビアン・ビアン@ビアン通信

 先日、ツイッターを見ていたら、「レズって蔑称なんですか?」と多分ノンケの人からビアンの人に質問があり、そこに端を発していろいろな人がいろいろな意見を入れていて、興味深かった。
私もそこにからみたいと思ったが、140字じゃとても書ききれないと思い、あきらめた。
レズ、レズビアン、ビアンなど、女性の同性愛者を表す言葉はいくつかあるが、それらについて今思うところを書いてみたい。

 私は、「レズ」という言葉を、ここ1~2年、使っている。
それまでは、使おうとしても、口にしようとしても、出来なかった。私が若い頃、「レズは蔑称ですか?」どころではなく、蔑称も蔑称、大蔑称だったから。「レズ」は私に、かつての苦しかった時代を思い出させる。今でも口にするたび、胸が痛む。本当は、見るのも聞くのも嫌な言葉だった。

 じゃあなぜそんな言葉を、使い出したのか。
それは、時代の流れと共に、「レズ」の言葉の持つイメージが、変ってきたと感じるから。
当事者も、非当事者も・・特に若い人は、レズ=女性同性愛者、という意味以上の、なんらマイナスのイメージなく使っていることが多い、と感じるから。

 蔑称とは、そもそも「蔑む対象」があって、はじめて成立する言葉。
若い人たちが、「レズ」を屈託なく使えるのは、蔑称だった時代を知らないこともあるだろうけど、もはや同性愛者が侮蔑や嘲笑の対象ではなくなってきたことの証しとも思える。それは喜ばしいことだと思う。
もちろん、世の中がそんなに単純ではないこともわかっている。依然として、そうした侮蔑や差別はある。
でも現在は、同性愛は病気ではなく性指向のひとつであり、同性愛者だからという理由で差別してはいけない、ということになっている。それがたてまえに過ぎない人もいるだろうけど、実際に同性愛に否定的な考えを持たない人や世代も確実に増えていると思う。

 90年にWHOが「同性愛は病気ではない」と宣言するまで(国際疾病分類から外されたのは93年)、同性愛は長い間病気であり、治療の対象だった。性的異常、異常性欲、性倒錯とされていた。当時は辞書で「同性愛」や「レズビアン」を引くと、そうした言葉がずらりと並んでいた。
性的異常者であり、変態なんだから、同性愛者のことは蔑んでもよかった。いや、そこまではっきり口にする人は当時でも少なかったと思うが、人々の意識の中ではそうだった。

 以前にも書いたが、82年、私が初めて2丁目に行ったとき、そこで出会ったひとりの人は、
薔薇族を買いに行って、レジにいた店員に
「あ、こいつ、レズだぞ!」
と叫ばれ、そこにいた人たちに
「レズ!レズ!」
となじられ、逃げ帰ったと言っていた。

 またある人は、親にレズビアンであることがばれ、「このレズが!」となじられ殴られ、無理やり精神病院に入れられた。
そしてこれはーいつか機会があれば書いてくださいと言われていたーまた別の人の話だが、その人が当時付き合っていた恋人と、急に連絡が取れなくなった。どうしたのかと思ったら、恋人は親にレズビアンであることがばれ、精神病院に入れられていた。
その後、その恋人は入退院を繰り返し、さらに、親から縁も切られ、仕事は医療関係だったので、精神病院に入院したということで職も失い、現在は生活保護を受けて暮らしているという。

 いずれも80年代、現在は40代の人たちの話だ。ほんの20数年前のこと。
こうした過酷な体験をした人は少なくないが、実際に話を聞く機会はほとんどない。
心の傷が深すぎて、言えないんだと思う。

 私には、レズ!となじられた経験はないが、忘れられないシーンがある。
90年代初め、WE(宿泊イベント)に参加したとき、私は子供のいるグループと一緒だった。ほとんどが離婚して子供をひとりで育てていたので、WEにも子供を連れて来ていた。私はひとりで参加していたので、お母さんたちがワークショップに参加している間、プレイルームのようなところで子供たちと遊んでいた。
「レズよ、レズ」
という声が聞こえたので、振り向くと、初老の女性が3人、窓辺に立っていた。その宿泊施設に来ていた地元の趣味サークルの人たちだった。
目に浮かんでいたのは、侮蔑でも嫌悪でもなく、恐怖の色だった。
恐らく生まれて初めて動くレズビアンを見て、しかも子供を連れている。全く理解できない、わけのわからないものに対する恐怖だったと思う。
そのとき私がどう感じたのか、よく思い出せないが、あの目の色だけははっきりと焼きついている。

 当時、クローゼットにいたので、自分はひどい経験はしてないという人も多いが、どの人にとってもショッキングな出来事だったのが、佐良直美事件(スキャンダル)。
80年、佐良直美の元恋人だった女性タレント・キャッシーが、振られた腹いせに、芸能リポーターに密告した。歌にドラマに司会に大活躍の佐良直美だったけど、一大スキャンダルとなり、連日、レズ、レズビアン、とマスコミで叩かれ、消えていった。そのときの報道たるや、凄まじいものだった。
「レズビアンであることがばれると、あんな風に社会から抹殺されるんだ・・と、一生のトラウマになった」
と言った人もいた。
佐良直美は、そのへんの平凡なタレントではなかった。レコード大賞受賞歌手というだけでなく、東京の御三家のひとつ(美智子皇后も同窓)の出身で、深窓の令嬢、頭も抜群に良かった。クイズ番組は総なめ、話も上手くて紅白では5回も司会を務めた。今で言うとだれ?と聞かれても、思いつかない。それくらい非凡で人気もあった彼女なのに、まるで犯罪者のように叩かれ、消えていった。
(ただ、才能のある方なので、今は実業家として大成功されていて、それは本当に良かった)

 「レズ」が蔑称か云々よりも、かつてそうした時代があった、そしてそれを知ることの方が、大事かもしれない。
若い人たちにとっては、単に歴史の一部かもしれないが、40代以上の人にとっては、それが通ってきた道であり、現実だったから。
「レズって蔑称なんですか?」と聞いたり、蔑称と知らずに使っている人がいれば、こうした過去を、歴史を伝えてほしい。

 私にとって、若い人のように屈託なく「レズ」という言葉を使うことは不可能だ。
でも、かつての傷ついた自分、失われた過去を取り戻したくて、あえて「レズ」を使っている。
もちろん、嫌なものを無理やり使う必要はない。歯を食いしばり、額に汗して「レ・・ズ・・」という必要もない。
その時々に応じて、使いやすい呼び名を使えばいい。
たとえどんな呼び名を使おうとも、私は自分が同性愛者であることに、誇りを持って生きたいと思う。

その②

もと記事@ビアン通信
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