同性愛の日本史【前編】
かつて、美少年は神の化身と崇められていたのです

かつて、日本は世界に冠たる男色の国でした(あえて「男色」と呼びます。「同性愛」とは近代に誕生した概念であり、昔と今とではずいぶんありようが異なるからです)。有史以来、日本の歩みは男色とともにあり、日本の歴史は男色文化に左右されながら、時にはそれが原動力となって動いてきました。
古代の豪族もそうでしたし、空海が唐から男色文化を持ち帰って以来、僧侶が稚児を愛するというライフスタイルが爆発的な広がりを見せ、貴族や武士の間にも広まり、政治をも大きく動かし、独自の文化が花開き、日本的美意識とあいまって戦国時代には「衆道」と呼ばれる人生哲学が誕生し、江戸時代には一大娯楽産業も誕生しました。それが、明治期以降、近代化とともにキリスト教に基づく西欧の思想が急速に広まり、男色は抑圧され、教科書から消されていくのです。
この特集では、『BL新日本史』という本に書かれた日本の男色史を紹介します。
『BL新日本史』は、『本朝男色考・男色文献書誌』岩田準一(原書房、2002)、『美少年日本史』須永朝彦(国書刊行会、2002)、『武士道とエロス』氏家幹人(講談社現代新書、1995)、『男色の民俗学』櫟川全次・編(批評社、2003)といった文献を参照し、歴史の教科書に出てくるような書物や歌集など、豊富な資料を引用しながら、漫画も用いてわかりやすく日本の男色文化の歴史を総覧した、なかなかの名著です。その内容は、全くと言っていいほど、歴史の教科書には書かれていません(隠蔽されてきたからです)。なので、ゲイである僕らでさえ、知らないことだらけで、驚きの連続だと思います。感動すら覚えます。もしかしたら、面白く読ませるために多少の脚色を施してある部分もあるかもしれませんが、大筋は史実です(文献や史料が豊富に提示してありますので、興味のある方はぜひ熟読してみてください)
有名な空海や信長や家光だけではなく、中大兄皇子も藤原鎌足も大伴家持も後白河院も後鳥羽院も兼好法師も足利将軍も戦国武将も徳川将軍も西郷隆盛も、みんな男色を経験していました。そのことは、僕らにある種の自信や勇気を与えてくれます。何かの時に「家康や秀吉や、あの西郷さんだってそうだった」と言えたら、ちょっとうれしいですよね。
それでは、以下に、日本の男色史をダイジェストでご紹介しましょう。
記事のつづき

かつて、日本は世界に冠たる男色の国でした(あえて「男色」と呼びます。「同性愛」とは近代に誕生した概念であり、昔と今とではずいぶんありようが異なるからです)。有史以来、日本の歩みは男色とともにあり、日本の歴史は男色文化に左右されながら、時にはそれが原動力となって動いてきました。
古代の豪族もそうでしたし、空海が唐から男色文化を持ち帰って以来、僧侶が稚児を愛するというライフスタイルが爆発的な広がりを見せ、貴族や武士の間にも広まり、政治をも大きく動かし、独自の文化が花開き、日本的美意識とあいまって戦国時代には「衆道」と呼ばれる人生哲学が誕生し、江戸時代には一大娯楽産業も誕生しました。それが、明治期以降、近代化とともにキリスト教に基づく西欧の思想が急速に広まり、男色は抑圧され、教科書から消されていくのです。
この特集では、『BL新日本史』という本に書かれた日本の男色史を紹介します。
『BL新日本史』は、『本朝男色考・男色文献書誌』岩田準一(原書房、2002)、『美少年日本史』須永朝彦(国書刊行会、2002)、『武士道とエロス』氏家幹人(講談社現代新書、1995)、『男色の民俗学』櫟川全次・編(批評社、2003)といった文献を参照し、歴史の教科書に出てくるような書物や歌集など、豊富な資料を引用しながら、漫画も用いてわかりやすく日本の男色文化の歴史を総覧した、なかなかの名著です。その内容は、全くと言っていいほど、歴史の教科書には書かれていません(隠蔽されてきたからです)。なので、ゲイである僕らでさえ、知らないことだらけで、驚きの連続だと思います。感動すら覚えます。もしかしたら、面白く読ませるために多少の脚色を施してある部分もあるかもしれませんが、大筋は史実です(文献や史料が豊富に提示してありますので、興味のある方はぜひ熟読してみてください)
有名な空海や信長や家光だけではなく、中大兄皇子も藤原鎌足も大伴家持も後白河院も後鳥羽院も兼好法師も足利将軍も戦国武将も徳川将軍も西郷隆盛も、みんな男色を経験していました。そのことは、僕らにある種の自信や勇気を与えてくれます。何かの時に「家康や秀吉や、あの西郷さんだってそうだった」と言えたら、ちょっとうれしいですよね。
それでは、以下に、日本の男色史をダイジェストでご紹介しましょう。
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