“生涯独身”新宿2丁目に学ぶ「覚悟」と「哲学」
生涯独身――。新宿2丁目の皆さんはハラをくくっている。ひとりを貫く心構えがなければ、オカマは続けられない。<彼女>たちの言葉には、男一匹も学ぶべき点も多いはず。世界最大のゲイタウンに生息してウン十年、50代、60代の大御所に独身の「覚悟」と「哲学」を聞いた。
●玄関に入る前までにストレスはハキ出す
「子供が欲しければ、知り合いの子を〈自分の子〉にしちゃえばいいのヨ。それぐらいの愛情を注げば、子供は慕ってくれるワヨ〜」
そう笑うのは、ゲイバー「A」のチーママ、50代のしんぺいチャン(仮名)だ。演技派俳優の上田耕一にやや似ている。今では店に〈自分の子供〉世代も遊びにくるそうだ。
「ひとりでも何とかなる」と思えたのは、35歳前後。ビールグラス片手に「これでも、若い頃は結婚を考えたこともあったのよ」とこう続けた。
「もちろん、自分のためじゃなくて親を喜ばせるため。当時と今とじゃ、世間の見る目や結婚観も違ったからネ。けど、自分にはウソをつけなかったワ……」
心がけているのは、自分の部屋にストレスを持ち込まないこと。
「その日のストレスは、玄関に入るまでに、ぜんぶハキ出すのヨ。そうすれば、部屋での時間が有意義になるし、次の日の頑張りが利く。楽しい酒はいいけど、酔ってクダを巻いちゃダメ。自分でハキ出したことを思い出せないし、ハキ出したつもりが翌朝に残っていることも多いから。趣味でも何でも方法はいろいろあるワヨ〜。ワタシの趣味? チ○チ○をしゃぶること。ま、50歳もすぎれば性欲は失せるけどネ」
●目覚めたら、まず生きていることに感謝する
180センチ超の長身に抜群のスタイルで、「男性ファッション誌のモデルだった」というのも納得のゲイバーCのかつみママ(60代=仮名)。「後戻りできない」と決意したのは28歳の時。薄くなった頭髪をなでながら、きっかけとなった〈ある事件〉を語ってくれた。
「警官だった父親が、この店に遊びにきたのヨ。親には〈スナックで働いている〉と伝えていたから、従業員全員に化粧を落としてもらってネ。知り合いのホステスにも来てもらった。やっと父親が帰ったと油断していたら、忘れ物を取りに戻ってきてネ。化粧している姿を見られて、ぜ〜んぶバレちゃった。それからは開き直っちゃったワ」
それでも、父親はひとり息子の将来を思って、毎年の年賀状に「結婚だけはしろよ」と亡くなるまで書き続けたという。
「今は朝起きたら、まず今日も生きていることに感謝するの。そりゃあ、不安になる日もあるワヨ。けど、そんな気持ちは棺桶(かんおけ)に入るまでつきまとう。誰にも人生なんて、どうなるかは分からないじゃない」
人生は「今日」の積み重ね。勢いだけで過ぎた20代の「今日を楽しむ」と、60代の「今日を楽しむ」とでは、おのずと意味合いが変わる。
「常に全力で生きて、夜は自分の時間を楽しまなくちゃ」
そう言うと、ママは記者のグラスに、焼酎濃いめのお茶割りを再びつくり始めた。
実の父親にオカマを掘られたり、耳が不自由だったり――2丁目には、修羅場を踏んできた人々がいる。それでも皆、底抜けに明るい。クヨクヨせずに前向きに生きる彼女たちの姿勢こそ、独身男は最も学ばなくてはいけない。
(日刊ゲンダイ2009年9月18日掲載)
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●玄関に入る前までにストレスはハキ出す
「子供が欲しければ、知り合いの子を〈自分の子〉にしちゃえばいいのヨ。それぐらいの愛情を注げば、子供は慕ってくれるワヨ〜」
そう笑うのは、ゲイバー「A」のチーママ、50代のしんぺいチャン(仮名)だ。演技派俳優の上田耕一にやや似ている。今では店に〈自分の子供〉世代も遊びにくるそうだ。
「ひとりでも何とかなる」と思えたのは、35歳前後。ビールグラス片手に「これでも、若い頃は結婚を考えたこともあったのよ」とこう続けた。
「もちろん、自分のためじゃなくて親を喜ばせるため。当時と今とじゃ、世間の見る目や結婚観も違ったからネ。けど、自分にはウソをつけなかったワ……」
心がけているのは、自分の部屋にストレスを持ち込まないこと。
「その日のストレスは、玄関に入るまでに、ぜんぶハキ出すのヨ。そうすれば、部屋での時間が有意義になるし、次の日の頑張りが利く。楽しい酒はいいけど、酔ってクダを巻いちゃダメ。自分でハキ出したことを思い出せないし、ハキ出したつもりが翌朝に残っていることも多いから。趣味でも何でも方法はいろいろあるワヨ〜。ワタシの趣味? チ○チ○をしゃぶること。ま、50歳もすぎれば性欲は失せるけどネ」
●目覚めたら、まず生きていることに感謝する
180センチ超の長身に抜群のスタイルで、「男性ファッション誌のモデルだった」というのも納得のゲイバーCのかつみママ(60代=仮名)。「後戻りできない」と決意したのは28歳の時。薄くなった頭髪をなでながら、きっかけとなった〈ある事件〉を語ってくれた。
「警官だった父親が、この店に遊びにきたのヨ。親には〈スナックで働いている〉と伝えていたから、従業員全員に化粧を落としてもらってネ。知り合いのホステスにも来てもらった。やっと父親が帰ったと油断していたら、忘れ物を取りに戻ってきてネ。化粧している姿を見られて、ぜ〜んぶバレちゃった。それからは開き直っちゃったワ」
それでも、父親はひとり息子の将来を思って、毎年の年賀状に「結婚だけはしろよ」と亡くなるまで書き続けたという。
「今は朝起きたら、まず今日も生きていることに感謝するの。そりゃあ、不安になる日もあるワヨ。けど、そんな気持ちは棺桶(かんおけ)に入るまでつきまとう。誰にも人生なんて、どうなるかは分からないじゃない」
人生は「今日」の積み重ね。勢いだけで過ぎた20代の「今日を楽しむ」と、60代の「今日を楽しむ」とでは、おのずと意味合いが変わる。
「常に全力で生きて、夜は自分の時間を楽しまなくちゃ」
そう言うと、ママは記者のグラスに、焼酎濃いめのお茶割りを再びつくり始めた。
実の父親にオカマを掘られたり、耳が不自由だったり――2丁目には、修羅場を踏んできた人々がいる。それでも皆、底抜けに明るい。クヨクヨせずに前向きに生きる彼女たちの姿勢こそ、独身男は最も学ばなくてはいけない。
(日刊ゲンダイ2009年9月18日掲載)
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